ねずみは病気の原因となるさまざまな菌を媒介する!症状なども解説
家の中でねずみを見かけたら、いつかは出て行くだろうと放置せず、1日でも早く駆除することが大切です。ねずみはさまざまな病原菌をもっており、人にも被害を与えることがあるためです。
こちらのコラムでは、ねずみが運ぶ病気の原因菌によって引き起こされる感染症の種類や具体的な症状について解説します。場合によっては、命にかかわる事故につながるおそれがあるため安易に考えるのは危険です。
また、ねずみ駆除対策を自力でおこなうことの難しさについてもふれています。ねずみ被害でお困りのかたや、家に侵入されたかもしれないというかたは、ぜひご覧ください。
目次
ねずみはさまざまな病気を媒介する
ねずみは、人にも感染のおそれがあるさまざまな病原菌をもっています。場合によっては、命にかかわるおそれもあるので注意しなくてはいけません。ここでは、ねずみがもつ病原菌の種類や感染した場合にどういった症状になるのかを解説します。
ねずみの排せつ物に含まれる病原菌とおもな症状
ねずみが媒介する病原菌は、ねずみに直接触れなくても感染することがあります。とくに、ねずみが移動しながらさまざまな場所に残していく排せつ物には、数多くの病原菌が含まれているのです。
・サルモネラ症
サルモネラ菌は、食中毒の原因としても知られる菌です。ねずみが触れた食べ物を摂取したり、菌に汚染された食器や容器などを使ったりすることでも体内に取り込んでしまうリスクがあります。おもな症状には腹痛や嘔吐、下痢などが挙げられます。とくに乳幼児や高齢者がサルモネラ菌に感染すると、髄膜炎など重症化するケースもあるのです。
・レプトスピラ症
レプトスピラ症は、ねずみの排せつ物に含まれるレプトスピラ菌によって引き起こされる病気です。レプトスピラ菌に汚染された水などが、口や皮膚を経由して感染します。
症状としては、くしゃみ・鼻水・発熱といった風邪に近いような症状になります。ただし重症化してしまうと、ワイル病といわれる黄疸や腎障害を引き起こして、死にいたるケースもあるので注意が必要です。
・E型肝炎
ウイルス性肝炎のひとつで、ねずみに汚染された食べ物から感染します。感染した場合は、嘔吐や腹痛、黄疸といった症状があらわれます。日本での症例は少ないものの、高齢者や妊婦が感染した場合は、致死率が高くなるともいわれているのです。また、E型肝炎に有効なワクチンは2020年10月現在、まだできていません。
・ハンタウイルス肺症候群
近年日本では感染報告はないものの、ねずみの排せつ物や唾液の混じったホコリを吸い込んでしまうとハンタウイルス感染症になるおそれがあります。風邪のような症状に始まって、高熱や急性の肺炎を引き起こし、重度の呼吸困難になると死亡するケースもあるのです。海外に渡航する場合などは、とくに注意したほうがよいかもしれません。
ねずみには大量のノミやダニも寄生している
ねずみの体には病原菌が付着しているだけでなく、ノミやダニが多く寄生しており、家中に被害が広がるおそれがあります。そして、そのノミやダニも病気を媒介することがあるのです。代表的な病気をいくつかご紹介します。
・ツツガムシ病
ツツガムシはダニの一種で、人が刺されることでツツガムシ病を発症することがあります。発症すると1~2週間前後高熱が続くほか、頭痛や腰痛などの症状をともなうこともあるのです。また重症化してしまうと、肝機能障害などを引き起こす可能性もあるのです。
・ペスト
ペストはねずみに住み着いたノミを介して人に感染する病気で、致死性が高く過去には黒死病と呼ばれ、おそれられていました。腺ペストや肺ペストなど、感染経路によって症状は異なりますが、高熱や頭痛、呼吸困難といった症状があらわれます。
ねずみが引き起こす感染症は、とくに抵抗力の弱い乳幼児や高齢者、またペットを飼われているご家庭は注意すべきです。もし、家の中でノミやダニの被害が発生した場合はねずみの存在を疑ったほうがよいかもしれません。ねずみが家の中に侵入してきたかもしれないと思った場合は、業者に依頼をして一度調査してもらうことをおすすめします。
噛まれてしまうと鼠咬症に感染するおそれもある
ねずみは病気を媒介するだけでなく、噛まれることでも鼠咬症(そこうしょう)という感染症になるおそれがあります。とくにドブネズミは、ねずみの中でもどう猛なので人に噛みついてくることもあるのです。
鼠咬症になると、噛まれた箇所がただれ周辺に発しんができます。さらに高熱や頭痛などを繰り返すというケースもあるようです。また、ねずみに噛まれていなくても、排せつ物に汚染された食品などをあやまって食べてしまった場合でも、鼠咬症を発症することがあるので注意しましょう。
とくに粘着シートや捕獲カゴなどを使って、ねずみを捕まえて駆除することを検討しているかたは注意が必要です。捕獲の場合はねずみが生きたまま捕まることがあり、自分で処理をしなくてはいけません。処理の際にはねずみに噛まれないように注意しましょう。もし、自分で駆除することに不安がある場合は、無理をせず業者に依頼してください。
ねずみによる被害は媒介する病気だけではない
ここまで解説したように、ねずみはさまざまな病原因を媒介するため危険であることがわかりました。しかし、ねずみが危険なのは媒介する病気だけではないのです。ここでは、ねずみが引き起こすさまざまな被害について解説します。
食べ物や衣類などが荒らされる
ねずみが家に侵入すると、食料や生ゴミなどが食い散らかされることがあります。一度汚染されたものは、感染症のおそれがあるため必ず廃棄するようしてください。また、ねずみによる食害を防ぐには、エサになるようなものは容器に入れるか冷蔵庫で保管するのがおすすめです。キッチン周りのゴミも、ふたのついたゴミ箱で管理するなど工夫しましょう。
またねずみはティッシュや布類を巣作りの素材として巣に持ち帰ります。このため、巣の材料になりそうなものは置かないことが大切です。とくに衣類やタオルなどは、収納棚にしまっておくようにしましょう。
ねずみの習性が大きな事故につながることもある
ねずみの前歯は人の爪と同じように伸び続けます。ねずみに柱や壁などいろいろなものをかじる習性があるのは、伸びた歯を削って長さを調整するためです。もし電源コードをかじられれば漏電が起きる原因となり、最悪の場合は火災につながる可能性もあります。
異臭の原因になる
ねずみが家の中に巣を作ると繁殖する可能性も高くなり、排せつ物によって天井や壁などにシミができたり異臭が発生したりすることがあります。とくに人の目が届かない屋根裏などで巣を作り、排せつ物がたまってしまうと、虫の発生など二次被害のリスクもあるのです。
壁や天井にできた排せつ物によるシミ、そして柱などをかじられた跡など、ねずみが残す痕跡は「ラットサイン」と呼ばれます。もし家の中にラットサインがあり、ねずみが家の中に侵入してきたと確信した場合は、大きな事故につながる前に駆除をおこなうプロの業者に依頼しましょう。
自力でねずみ駆除対策するのは難しい
ねずみを駆除するには捕獲用の粘着シートやカゴで捕まえたり、忌避剤などで家の外に追い出したりという駆除方法があります。しかし、ねずみの駆除を自力でおこなうには難しいことも多いのです。ここでは、ねずみを自力で完全に駆除することが難しい理由について解説します。
理由1 警戒心が強い
警戒心の強いねずみには、習性のひとつに「異物反応」といわれるものがあります。たとえば、普段の通り道などに変化があると、その場所を避けて通ったり経路を変えたりすることがあるのです。このため、捕獲シートや毒エサなどの罠を仕掛けても、はじめは警戒してかかりにくいということもあります。
理由2 繁殖能力が高い
ねずみは、時間をかけずに駆除するのがポイントです。種類によっても異なりますが、ねずみは1年の間に5~10回妊娠をして、1度に5匹以上の子供を産むことも珍しくはありません。また妊娠期間も20日くらいと短いため、短期間で繁殖できる高い能力をもっているのです。
理由3 毒に耐性をもったスーパーラットが存在する
家の中に侵入してくるねずみには「クマネズミ」「ドブネズミ」「ハツカネズミ」のおもに3種類がいます。その中でも、ねずみ被害の約9割は警戒心の強いクマネズミによるものといわれています。
そして家の中に侵入したねずみが、クマネズミの進化したスーパーラットの場合は、とくに注意が必要になります。なぜならスーパーラットは毒に耐性があるため、市販の毒エサなどでは効果が得られないことがあるためです。
スーパーラットの駆除には、「リン化亜鉛」といわれる成分を含んだ殺鼠剤が効果的とされています。しかし、ねずみは姿をなかなか見せないうえ、見た目だけではスーパーラットかどうかの判断はつきにくいでしょう。
理由4 侵入経路も塞がなければ再発のおそれがある
ねずみは駆除するだけでなく、侵入経路をすべて塞ぐ必要があります。たとえ家の中のねずみをすべて捕獲して一時的に駆除できたとしても、家の中に侵入経路があれば再び侵入してきて被害が再発するかもしれません。
ねずみの侵入経路には壁のヒビ割れや排水管などがあり、2~3cmのすき間があれば、通り抜けることが可能です。また子供のねずみなら、1cmもあれば難なく通り抜けてくるでしょう。さらに頑丈な前歯で穴を広げて、侵入経路を新たに作ることもあるのです。とくにクマネズミは、壁や電線を移動することもあるため、高い場所であっても油断はできません。
ねずみの駆除はプロの業者に任せるのが得策!
ここまであげたように、ねずみを自力で完全に駆除するのは難しいといえます。また毒エサや忌避剤などを使っても、ねずみに効果があったかどうかわかりにくいというデメリットがあります。
もし駆除に失敗していることに気づかないままお金をかけて駆除グッズを使い続ければ、時間や費用が無駄になってしまいます。また、その間にもねずみが病気の原因菌をまき散らして被害が拡大するおそれもあるのです。
ねずみの駆除は、スピードが勝負です。もし、自分でねずみを駆除することに不安があったり、駆除剤などに効果を感じられなかったりする場合は、プロの業者に依頼するようにしましょう。プロに任せれば、噛まれたりするリスクが避けられるだけでなく、駆除と同時に侵入防止対策もおこなってくれるはずです。
弊社では、ねずみ駆除をおこなうプロの業者を数多くご紹介しております。相談無料のコールセンターは24時間365日稼働しておりますので、早朝や深夜にかかわらずいつでも受付が可能です。ねずみがいるかどうかわからない場合でも、一度調査を依頼してみてはいかがでしょうか。
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